がん①胃がん
胃がんの自覚症状は?
他のがんと同様、胃がんも、多くの場合初期には自覚症状がありません。そのため症状があらわれたときには、がんが進行していることが少なくなく、治療が難しいこともあります。胃がんの早期発見には検診が大切です。早期がんであれば大半が治癒するので、定期的に検診を受けることを心がけてください。
胃がんの検診方法
上部消化器管X線検査(バリウム検査)
受診者が、バリウムと発泡剤を飲んでから胃をX線で撮影する検査です。日本は世界の中でも胃がんの発生率が高く、企業(健康保険組合)や市区町村などで広く行われています。この検査では、胃の粘膜の凹凸や胃壁の変形によってがんを疑います。疑いがある方は次の「内視鏡検査」で詳しく調べることになります。
受けてほしい方
- 40歳以上の方
- 胃がんになった近親者がいる方
おすすめの検診間隔
年に1回の検診をおすすめします。
内視鏡検査
胃の中まで細いファイバースコープを挿入し、胃の粘膜を直接観察します。悪性を疑う病変があれば、組織を採取し病理組織検査を行います。内視鏡による検診は、バリウム検査より早期にがんを発見できる可能性が高いため、最近ではより多く行われるようになってきました。
以下に該当する方は内視鏡検査をおすすめします。
- X線検査で異常が見つかった方
- 胃の痛みや上腹部に不快感などの症状がある方
- ピロリ菌感染がある方
- 慢性胃炎(萎縮性胃炎)がある方
おすすめの検診間隔
年に1回の検診をおすすめします。
「ピロリ菌検査」をご存じですか?
ピロリ菌は、強い酸性の胃の中でも生きていられる細菌で、1983年に発見されました。胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因のひとつで、胃がんの発がんにも深く関与していると考えられています。
ピロリ菌の感染の有無は比較的簡単な検査で調べることができます。ピロリ菌は抗生物質でほぼ除菌することができ、胃・十二指腸潰瘍の場合は積極的に治すためには、除菌治療を行います。胃がん予防効果については、どの段階(若年のほうが有効)で除菌すべきかなど議論があって、現在は保険治療の適応にはなっていませんが、感染があれば胃がんになるリスクが高いと考えられますから、感染の有無を知ることが大切です。
年間死亡者数は、肺がんに次ぐ第2位
肺がんに次いで死亡者数が多いのが胃がんです。2009年のデータでは1年間に50,017人が胃がんで亡くなりました。また、発症数は肺がんを上回り、2005年のデータでは117,137人の方が胃がんを発症しています(肺がんは83,881人)。
胃がんは怖い病気ですが、治るがんの代表ともいわれます。治るためには、早期発見、早期治療が何より重要です。(厚生労働省「平成21年人口動態統計」および財団法人がん研究振興財団「がんの統計’10」より)
内視鏡的切除か外科的切除か
胃がんの治療法は、がんの性質や進行度によって、さまざまな治療法がありますが切除が基本です。
以前は、外科的切除(開腹手術)が治療の第一選択でした。しかし検診の普及で早期に発見される胃がんが多くなり、また治療技術の向上もあって、早期がんであれば内視鏡で切除できる可能性が十分あります。また外科的に切除するにしても、腹腔鏡下の負担の少ない治療が行われています。一方、切除の難しい胃がんの場合、化学療法が中心となりますが、最近は商品名「TS-1」(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)をはじめ、より有効な抗がん剤が次々と開発され、QOLの改善や延命につながっています。
治療後の定期検査
外科的治療を受けた場合、5年間は定期的に腹部CT検査、超音波検査、腫瘍マーカーなどで経過をみる必要があります。内視鏡で切除できた場合は、年1回の内視鏡検査で経過をみます。
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