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医療機関のかかり方

  1. かかりつけ医とは
  2. 専門医とは
  3. 医療機関の受診の心構え

はじめに

現在受診している医師(かかりつけ医)から「より専門的な医療機関」を紹介された方は、現在の病状より、詳しい検査や治療、入院または手術等が必要と判断されたと考えられます。紹介された医療機関には、その病気の「専門医」が在籍していると考えられます。

では、どのような医師のことを「専門医」と呼ぶのでしょうか。

①専門医とは

専門医とは、「社団法人日本専門医制評価・認定機構」によると、「専門分野の研修を5年以上受け、資格審査ならびに専門医試験に合格して、その分野の学会等によって認定された医師」のことを専門医といいます。専門医認定を行っている学会は80以上あり、専門医の種類も小児科専門医、内科専門医、糖尿病専門医など多岐に渡ります。

医療は、病気の種類や発症した体の部位によって、たくさんの診療科や専門分野に分かれており、医師により得意としている分野が異なります。「専門医」と標榜する医師を受診すると、その医師が該当する病気の最新の診療指針(ガイドライン)を熟知しているので、症状をうまくコントロールしてもらいやすいと考えられます。

※ガイドライン
治療に関して適切な判断を下せるように,病気になった人に対する治療の実績や,学会での研究をふまえて作られた診療の指針です。最新の治療法を含め多くの情報から有効性,安全性などを整理して,診療の目安を示してあります。

「病院の言葉」を分かりやすくする提案(国立国語研究所)より引用)

②専門医の探し方

専門医が在籍しているのは、大規模病院だけではありません。中規模病院や一般のクリニックにて診療を行っている医師もいます。あなたの近所のかかりつけ医があなたの病気に特化した専門医だったら、よりいっそう心強いですね。

専門医かどうかは、各病院やクリニックのホームページに掲載されていたり、院内に標榜していたりする場合があります。また、「社団法人日本専門医制評価・認定機構」のホームページに掲載されている各学会のホームページから専門医を検索することも出来ます。

③あのとき、専門医を受診していれば…

かかりつけ医から専門医を紹介されているのに、専門医のもとを受診していないあなた。あなたがもし、専門医を早く受診していたら病気の経過が違っていたのかもしれません。こんなケースをご紹介します。

Bさん(58歳、会社員、男性)の場合

・Bさんは大手企業で働く会社員です。幼い頃から長年野球で鍛えてきたので、体力には自信があり、毎日外回りの仕事をバリバリとこなしていました。入社した頃は細身な体型でしたが、車での移動が多く、運動量が減ったことや得意先での飲食の席が増えたことにより、少しずつ体重が増えていきました。

・40歳を過ぎた頃、気がつくと体重は入社時より15kgも増えていました。年1回行われる会社の健康診断で、血糖値が高く「要再検査」と「肥満」を指摘されました。「このくらいの血糖値なら食事やお酒の量を減らして運動すれば問題ないだろう。」と勝手に思い込み、再検査を言われているにも関わらず、医療機関を受診しませんでした。

・45歳のときに受けた健康診断の結果、ついに血糖値が基準を大きくこえてしまい、「要治療」と指摘されました。Bさんの妻は、「今すぐ病院へ行きましょう。」と強く勧めました。しかしBさんは何かと理由をつけ受診を拒否しましたが、妻が何度も説得し、ようやく近所の内科を受診しました。

・Bさんは再検査の結果、「糖尿病」と診断されました。血糖値を下げる薬をもらい、治療を開始しました。始めのうちは、医師の指示通りに内服を行っていましたが、だんだんと薬をうっかり飲み忘れてしまうことが増えていきました。また、食事や運動などの生活習慣はなかなか変えることは出来ませんでした。
かかりつけ医は2ヵ月ごとに血液検査を行い、半年に1回は薬の内容を変更して様子をみていましたが、年々空腹時血糖※1HbA1c※2の値は上昇していきました。

・内服開始から10年以上が経過した頃には、HbA1cは9~10台まで上がってしまいました。かかりつけ医から「そろそろ大きな病院で糖尿病を治療する段階かもしれませんね。教育入院という方法もありますよ。紹介状は書きますから、仕事の都合がついたら教えてください。」と言われました。

・入院治療のために仕事の調整を図ろうとしていた矢先、転勤が決まり、Bさんは見ず知らずの土地に単身赴任することになりました。今まで定期的に通っていた、かかりつけ医を受診することは難しくなり、転勤先で新たに医療機関を探そうとしました。しかし、平日は夜遅くまで仕事をし、休日は仕事仲間との野球と月1回家族のもとに帰る生活が続いたため、ついつい後回しにしてしまい、結局、糖尿病の治療を中断してしまいました。

・単身赴任開始から1年が経過したある朝、目覚めると視界がかすみ、黒い「もや」のようなものがかかっていたため、はっきりと物を見ることができなくなっていました。Bさんは驚いてすぐに近所の眼科を受診したところ、眼科の医師より「糖尿病による網膜症が進んでいて、硝子体※3が出血している。一刻も早く高度な治療が必要。」と診断されました。そこで、転勤前まで通院していた、かかりつけ医に連絡を取り、治療の経過や内服していた薬などを記載した紹介状を作成してもらい、糖尿病専門医のいる代謝内科と眼科のある総合病院を受診しました。

Bさんは「糖尿病性網膜症」と診断され、左眼は硝子体手術とレーザー治療を受けました。右眼はレーザー治療を行うことになりました。しかし、これらの治療は糖尿病性網膜症の進行を抑えることはできますが、症状の根本的な改善は難しく、Bさんの視力は以前のように戻ることはありませんでした。

視力の低下により、Bさんは今まで行っていた業務ができなくなってしまったため、今後の仕事内容について会社の上司や産業医へ相談しました。その結果、産業医より「社用車運転の禁止」を命じられ、長年行ってきた外回りの仕事から内勤へ異動することになりました。

  • ※1:空腹時の血糖値のことで、糖尿病の診断やコントロール状態をみるときに用いられる。詳細はこちら
  • ※2:過去1~2ヵ月の血糖状態をみることができる値。詳細はこちら
  • ※3:眼球内にあるゼリー状で透明な組織のこと。眼球を支え、目にかかる衝撃を吸収している。

Bさんの身体に起こっていたのは、糖尿病の合併症の一つ「糖尿病性網膜症」でした。網膜は、眼から取り込んだ光を映像化し、視神経に伝える役割を果たしています。網膜の血管は非常に細いため血糖値が高い状態が長く続くと、血液の流れが悪くなり血管が詰まってしまうことがあります。また、酸素が十分に届いていない部分に、もろくてやぶれやすい新しい血管を作ってしまうこともあります。この血管が破け出血することで「視力の低下」や「視野が狭くなる」、「視界が赤や黒く見える」など、症状が初めて出て糖尿病性網膜症と診断されることが多いのです。さらには網膜の一部が剥がれる「網膜剥離」になることもあります。この状態まで進行してしまうと、著しい視力の低下や失明の可能性も高くなります。

しかしながら、糖尿病性網膜症は「①食事・運動などの生活習慣の改善すること、②薬による治療を行い、きちんと血糖コントロールすること」により、発症を防ぐことができる病気です。また、糖尿病と診断されたら半年に1回は眼科を受診し、眼底検査(網膜の血管の状態を確認する検査)を受ける必要があります。Bさんも上記のような取り組みが行えていたら、Bさんの経過は違っていたのかもしれません。

かかりつけ医へ治療の内容や今後の方針など、わからないときは積極的に質問してみましょう。そして、一番大切なことは自分の健康を自分でしっかり管理することです。今一度、自分の身体について考えてみてはいかがでしょうか。

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