笑い編
「笑い」は健康・長寿の特効薬
「笑う角には福来たる」といいますが、最先端医学の世界では、「健康・長寿の特効薬」ともいえるような「笑い」の健康効果が次々と証明されつつあります。
そこで今回は、「笑い」を利用して、健康・長寿になるための方法についてご紹介します。
2つのポイント
Point1 自分の「笑いのツボ」を刺激する
若さを保つさまざまなホルモンを総称して「アンチエイジング・ホルモン」と呼びますが、このアンチエイジング・ホルモンが「笑い」と密接な関係をもっていることが最近の研究でわかってきました。それは、笑うことによって、アンチエイジング・ホルモンの分泌が活発になったり、免疫力が高まったりするというものです。
しかし、ただ普通にすごしているだけでは、なかなか笑う機会がないということもあるかもしれません。そんなときのために、自分の笑いのツボを刺激してくれるものをさがしておくことをおすすめします。たとえば、笑い満載のバラエティ番組を録画したビデオ、コメディ映画やお笑いのDVD、マンガなど…。自分なりに笑えるネタをいくつか用意しておいて、笑いの時間をつくるために活用するとよいでしょう。

Point2 つくり笑いをするだけでもOK
笑いがすぐれているのは、心の底からおかしいと思ってはいないときでも、つくり笑いをしただけで、たとえば「幸せホルモン」といわれるセロトニンの分泌が活性化するなどの効果があらわれることです。
鏡に向かって顔を突き出し、顔全体で笑って腹筋を使う。これでいいのです。顔全体を使えば、顔の表情筋がよく動いて神経を刺激し、脳に伝わります。しかも、最初はつくり笑いだったのが、鏡を見ていると本当に笑いが出てきます。

くわしい解説
笑うとカラダにどんな変化があらわれるのか、最新の研究成果をご紹介しましょう。
最新の研究で証明された「笑い」の健康効果
最近、カリフォルニアのロマンダ大学の研究者らは、自分が大笑いしそうだと予感すると、成長ホルモンや「β-エンドルフィン」といったアンチエイジング・ホルモンの分泌が高まることを発見しました。
この研究の内容ですが、16人の男女を2グループに分け、一方にはコメディ映画のビデオを見てもらい、もう一方には自由に雑誌を読んでもらうこととしました。すると、ビデオが始まる直前に映画のグループの血液を採取した結果、自由に雑誌を読むグループの1.3倍のβ-エンドルフィン、1.9倍の成長ホルモンが含まれていることがわかりました。この場合研究対象が限られ、数も少ないのですが、少なくとも楽しいことを考えるだけで、アンチエイジング・ホルモンの分泌が高まることの証明になっています。
また、ウェスタン・ニューイングランド大学での研究によると、楽しい映画を観た学生の唾液中では、「免疫グロブリンA」という免疫物質が多くなっていることがわかりました。笑いが免疫をも活性化することの一つの証明です。

この他にも、笑いの効用に関して、アメリカや日本で下のような研究報告もされています。
このように医学的にも証明された“笑い”ですが、難しいことはさておき、笑いや楽しいことはアンチエイジング・ホルモンの分泌促進や免疫力の向上などにつながります。若さと健康を保つためのポイントとして、日々の生活に“笑い”を取り入れてみてはいかがでしょう。
笑いの効用
- 脳の前頭葉が活性化して、脳トレ効果がある。
- 免疫細胞の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化する。
- 自律神経のバランスを整え、副交感神経が優位になる。
- セロトニン神経が活性化して、セロトニン(=幸せホルモン)が分泌される。
